チームで開発や改善を進めていくために、KPTで振り返る。やり方と所感。
現職では、2〜4名程度のメンバーで日々の改善作業を行っています。
僕のメンターが「タスクの割り振り」や「進捗確認」を行っていましたが、今年の6月頃から僕が受け持つことになり、それを期にKPTによる改善作業をすることになりました。
今までは、メンバーが複数プロジェクトを兼任しており、固定できなかったので振り返りをしていなかったのですが、ここのところメンバーが固定されてきたこともあり、「チームとして成長していくために、振り返りをしてみたら?」とメンターから提案されたのがきっかけです。
せっかくの提案頂いたので、やり方を教えていただき、実践しています。
この記事では、一体どんな振り返りをして、どんな効果があったかを説明します。
目次
前提
現チームでは開発を週単位で回しています。それに伴い、今回説明する振り返り(チーム活動の改善)の進め方は、1週間ごとに行うことを前提としています。
そのため、多少時間が少ないなと感じたり、進めるうえでのプロセスが十分でないと感じる方がいらっしゃるかもしれません。その際は、各自アレンジしていただければと思います。
何のために振り返りを行うかのか??
「振り返り」作業をする、のが必ずしも正しいわけではありません。良い面もあれば悪い面もあります。特に、メンバーの数 x 欠けた時間 の捻出が必要(チームとして開発時間が失われてる)、のが最大のリスクだと思います。その時間をかけてまでやる意味がないならやらないほうが良いと思います。
とはいえ私は、振り返りをすることで、次のようなことが達成できると見込んでおり、基本的には実施したほうが良い、というスタンスです。
振り返りを行うメリット
- 開発スピードがあがる(1週間に行えるタスクの量が増える)
- ムダなことをしない(できるだけ)
- ムダとわかったことは2回しない
- 得意・不得意を見極める
- 開発品質があがる
- バグがない、少ない
- 要望とずれたものは開発しない
- より、要望に沿ったものを、少ない手間で作り上げる
こういったことを実現するために、振り返りではチーム活動のボトルネックとなる部分(多くはコミュニケーションに依存する部分だと個人的には思っています、もちろん個々人のスキル不足というものもある)を特定し、少なくしていけるように活動していきます。
準備
準備するものです。
- 広い机 or ホワイトボード
- ペン(太字のものが良い。赤ペンでもよい)
- 付箋(2〜3色。大きめがよい)
- 時計(こちらもできるだけ大きいものが良い)
進め方
大まかには、KPTをつかって、改善を進めています。
先週の「振り返り」をし、その後「問題点の洗い出し」→「問題を解消するためのルール更新」と続きます。
- 前回たてたKPTの振り返り(振り返り)
- 今週のKPTの洗い出し(問題点の洗い出し)
- 議論(ルールの更新)
- クロージング
これらをおおよそ30分程度で行います。ひとつひとつ見ていきます。
1. 前回たてたKPTの振り返り
前回のKPTを振り返ります。先週つくったTryに対して、
– 今週実施できたのか、できなかったのか?
– 実施してどうだったのか?
を振り返ります。
主に、
– ①ルールの確認(前回のルールのふりかえり)
– ②ルールの継続
の2点をチェックします。
「ルールが守れていない、守れなかった」場合は、何らかの理由があるはずなので、ルールを変更するか、そのまま維持して守れるようにするか話し合います。
この時重要なのはルールを守れなかった個人ではなく、あくまでルールが悪かったというスタンスです。
問題 vs チーム、という構図で建設的に話し合いを行います。
また、ルールの継続に関しては、チームの文化として定着したものは一旦ルールから外してしまってもOKです。
2. 今週のKPTの洗い出し
チームワーク第一弾です。各自ワークをして今週どうだったかを考えます。
ブレインストーミングとKJ法を使います。個人的な感想ですが、4番目のポイントを付けて、どの観点が今最も話すべきかをチームで強制的に決めてしまう、という部分が気に入っています。
得点性にすることで、スムーズに意思決定できるので時間を無駄にしませんし、今話すべき内容にフォーカスしやすいのでおすすめです。(色々重要で話したいことはありつつも、時間は有限なので、優先順位をつけるのが大事)。
- 個人ワーク(各自、課題や問題だと思う点を付箋に書き出します。3〜5min/人。)
- 発表(一人一人発表します。1min/人。)
- グルーピング(全員で実施。3〜5min)
- ポイントつけ(チームで重要だと思う問題点 = みんなが興味のある点、を決める。)
4.の工程は、振り返りで確保している時間にもよりますが、1~2個に絞ります。人数が偶数でも問題ないように、3pt〜5pt/人の持ち点性にして、グルーピングした内容に自由にで投票し、議論すべき内容を決めます。
つまり、1つの話題に全ptを割り振ってもいいし、いくつかの話題に1ptずつ割り振ってもOKです。
3. 議論
チームワーク第二弾です。ポイント付けした結果、優先して解決したい課題・問題が決まりました。これを解決するための仕組み(ルール)を決めていきます。
基本的には、時間を決めて議論。議論はついつい時間が長くなりがちなので、ファシリテーターは要注意です。
4. クロージング
- で決まったことを周知、付箋に書き出して壁に張っておきます。これは、ルールを決めても意識されないと、形骸化してしまうためです。
進め方の注意点
ファシリテータによる観点と、参加メンバーの観点があります。
ファシリテータの注意点
週次の振り返りだから、といった特別なことはありません。基本的なことばかりです。
- 時間管理(タイムキープ)を行う
- 決めさせる
- 否定しない
- 意見を引き出す
- 具体的にする。言葉をシャープにする
- ×:機能を追加する
- ◯:新しい機能を追加する
- 時間を追加するかどうかを促す
- 失敗しても、いいから進めることも重要
メンバーの注意点
- もし問題が起こったとしても、悪いのはルールであって、人ではない
- 人を責めない
まとめ
いかがでしたか。このやり方が100%良いとはいえません。チームや状況に応じて、どんどんupdateしていきたいと思っています。
ただ、この活動を始め、メンバーひとりひとりの責任感やバックボーンとなっている考え方などが共有できて、仕事は以前よりさらにうまく言っていると思います。引き続き続けていきたいと思います。
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